月次決算とは?経営を安定させるための月次決算のメリットを解説

あなたの会社では月次決算をしていますか?

月次決算とは、毎月~3ヶ月に1回の短いスパンで会計状況をまとめ、月ごとの財務状態・損益状況を見える化することです。

「月次決算をやってますか?」という質問に対し、次のように思われた人は多いのではないでしょうか。

「年1回の決算のタイミングで会計書類を整理している」

「決算確定ではじめて当期の利益と税金が分かるようになる」

「月次決算って何のこと?」

月次決算を行わないで年次決算のみを行っているという中小企業は少なくありません。

たしかに領収書や請求書等の書類を毎月まとめるのは手間ですよね。
しかし、毎月かかる手間以上に月次決算によって得られるメリットがあります。

この記事では、月次決算を行うことで得られるメリットについて、分かりやすく解説しています。
記事を読み終わる頃には、月次決算の重要性が分かって月次決算をやってみたくなるはずです。
ぜひ参考にしてみてください。

目次

月次決算とは?

年に1回行う通常の決算(年次決算)では、事業年度ごとに会社の財政状態、経営成績を集計し、決算書にまとめます。
そして決算の結果を申告書に反映し、確定申告をして税金を納付します。

年次決算は税金の確定や株主への情報提供を目的としており、必ず行わなければいけません。

一方で、月次決算とは年次決算と同じような作業を毎月行い、月ごとに会社の財務状態や経営成績を試算表で明らかにすることをいいます。

月次決算は毎月の経営状況を整理して経営管理を行うことが目的で、月次決算の実施は義務ではないため、実施有無の判断は会社に委ねられています。

毎月の事務処理負担やそれにかかるコストが増加するため、月次決算に消極的な中小企業は多いです。

しかし、昨今のコロナウイルス感染症による影響や海外情勢によるインフレで、社会は目まぐるしく変化しています。
年次決算で年1回会社の状態を確認するのでは、変化への対応が難しいでしょう。

どんな経営リスクが起こるか分からない昨今では、迅速な意思決定を行うため月次決算の重要度が高まっています。

月次決算のメリット

迅速かつ適切な意思決定のためには、月次決算が重要であることをお伝えしました。
月次決算を行うことで、次のようなメリットが得られます。

月次決算のメリット
  • タイムリーな状況把握と経営判断ができる
  • 目標/実績の比較分析ができる
  • 円滑に融資を受けることができる
  • 年次決算の作業がラクになる

それぞれについて解説していきます。

タイムリーな状況把握と経営判断ができる

月次決算によって、現預金残高などの事業資金や、売上・経費などの損益を毎月整理することで、経営者は会社の財政状態や経営状態をタイムリーに把握することができるようになります。

経営状況を毎月見ていると、手元に置いておくべき現預金の金額や稼ぐべき売上高等の基準が明確になります。
さらに基準が明確になってくると、ちょっとした変化にも気付きやすくなります。
会社の異常にも早期に発見できるようになるため、迅速な経営判断を行うことが可能です。

また資金繰り面でもメリットがあります。
毎月資金の状況も把握できるようになるため、資金調達など早め早めに手が打つことができ、資金繰り悪化を事前に抑えやすくなります。

目標/実績の比較分析ができる

毎年、事業年度のはじめに今年度の売上目標や利益目標を立てる会社は多いです。
月次決算で月ごとに目標と実績の比較ができるため、目標に対する達成状況が明確になって、事業年度の途中でも戦略見直しや新たな施策の検討が可能になります。

もし年次決算しか行なっていないと、決算が終わってはじめて目標に対しての結果が明確になるため、事業年度の途中で目標に対する状況が分かりません。

時間を測らない状態でフルマラソンを走っているのと同じです。
ゴール(決算)までの時間は分かっても、目標タイムより良いのか悪いのかが全く分かりません。
これでは、このまま維持継続でいいのか、もっとスピードを上げるべきなのか、目標を達成するための適切な行動がとれませんよね。

経営において、途中状況を示すタイムは月次決算です。
月次決算によって目標に対する実績状況を可視化することで、売上目標や利益目標の達成の可能性が高まります。
そのため、経営では月次決算がとても大切なのです。

円滑に融資を受けることができる

金融機関に融資を申し込む場合、会社の直近までの試算表が必要になることが多いです。
月次決算を行っていれば、常に最新の試算表が作成されているため、スピーディーに試算表を金融機関に提出することが可能です。

もし月次決算を行っていない場合、融資の申込みをするために試算表を作成することとなりますので、融資の実行まで時間がかかってしまいます。
試算表が遅れれば遅れるほど融資も遅くなって、必要なときまでに融資が間に合わないかもしれません。

また月次決算を行っていると、金融機関から「適切な経営を行っている会社」として好評価を得られるメリットもあります。

そのため、円滑に融資を受けるためにも月次決算はおすすめです。

年次決算の作業がラクになる

年次決算での負担を軽減することができる効果もあります。
領収書・通帳・請求書などの会計書類の整理、会計ソフトへの入力作業、取引の不明点の確認など、決算では膨大な経理処理が必要です。

年次決算でこれらすべての作業を行おうとすると、目の前の決算作業に追われて本来の業務まで手が回りません。
経営者が自ら行っている場合には、決算業務のために本来の営業活動ができず、機会損失を招いてしまう可能性があります。

月次決算を行うと、年次決算での作業を毎月の作業に分散できるため、決算時期の作業を軽減することが可能です。
そのため、毎年の決算作業に追われてお困りの場合には、月次決算で作業負担を軽減し、年次決算による機会損失を防ぎましょう。

まとめ

この記事では、会社が月次決算を行なううえで得られるメリットについて解説しました。

経営ではタイムリーな状況把握とスピーディな意思決定が重要です。
逆の言い方をすると、経営者が会社の状況をタイムリーに把握していないのは非常に危険な状態です。

会社の経営で、いつも順調に事が進むということは多くありません。
順調にいっていたとしても、何か問題が発生し、それを機に会社が傾くこともあります。

事業を長く存続させるため、月次決算で安定した経営を目指しましょう。

弊社の顧問契約(継続支援サポート)では、会社の財務状態・損益状況のご説明から経営・資金繰りに関する提案などを「分かりやすく」「丁寧に」お話させていただきます。

会計や経営について”知りたい!”と考えている経営者を大歓迎しています。
地域を問わず、オンライン面談で対応させていただいていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。


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