飲食店の経営で知っておきたい資金繰りが悪化する原因と改善方法とは?

目次

質問

私は飲食店を経営している者です。
毎月の仕入れや人件費はお店を運営するために必要な経費ですが、資金繰りが苦しく支払いが厳しいことがよくあります。
飲食店のお金回りをよくする方法があればアドバイスをいただきたいです。

回答

お店を運営する上で、資金繰りはとても重要です。
資金繰りとは、事業のお金をうまく管理し、適切に使っていくことを言います。

飲食店の経営で資金繰りが苦しい状態が続くと、いくらお客様から美味しい料理の提供を望まれたとしても、お店を続けることは難しくなってしまいます。

資金繰りの基本的な考え方は、次の記事でも紹介していますので、あわせてご確認ください。

この記事では、飲食店経営において資金繰りが苦しくなってしまう理由と、資金繰りが苦しい状態からどうやって改善していくかについて解説します。

なぜ飲食店で資金繰りが苦しくなるのか?

飲食店を経営するとき、お客様に料理を提供してお金をいただくためには、まず料理を提供する準備が必要です。

つまり、お店の売上を発生させる前に、さまざまなところにお金が使われます。
例えば、食材の購入、スタッフの給料、店舗の維持管理費など、これら全てにお金が必要です。

でも一度売上が発生すれば、そのお金をやりくりしていくだけなのに、なぜか常に資金繰りが苦しいと感じることはありませんか?

その理由として、主に次の3点があります。

  • 商品の季節性やお店の立地による影響
  • 食材の値段が高騰する
  • 人件費の割合が高い

商品の季節性やお店の立地による影響

飲食店の売上は季節やイベントに大きく左右されます。
例えば、夏場にアイスクリームやビールなどの冷たい料理がよく売れる一方で、冬になると温かいものが好まれるため、これらの売れ行きは悪くなってしまいます。
タピオカのように、ブームに乗って売上が急増する一方で、ブームが去ってしまうと売上は激減してしまいます。

またお店の立地によっても変わります。
オフィス街にあるお店であれば平日と土日祝日で売上がまったく違いますし、観光客が多い立地のお店では反対になります。

このように飲食店の場合、季節の変動や立地の条件によって収入が安定せず、資金繰りが苦しくなることがあります。

食材の値段が高騰する

仕入価格に変動によって、資金繰りが悪化してしまう可能性があります。
特に飲食店の場合、一言に仕入といっても様々で、食材、調味料、油など数多くの種類の仕入が行われます。

また飲食店は他の業種と比べると調理に電気・ガス・水道を使用するため、水道光熱費が多くかかる特徴があります。

そのため、天候不良による食材の高騰やインフレによる物価高によって、資金繰りに影響が出やすいです。

人件費の割合が高い

店内飲食ができるお店の場合、厨房で働く人員、ホールで働く人員などのスタッフが必要です。
もちろん少ない人員でお店を回すことも可能ですが、店主の休息や提供するサービスの質を考えると、ある程度の人数のスタッフを揃えることになるでしょう。

従業員を雇用する場合、給料を支払います。
仮にお店にお客様が来なかったとしても、従業員さんは労働の対価として給料を受け取る権利があります。
そのため、売上が少ない閑散期や新型コロナウイルス感染症が流行ったときのような日が続けば、人件費が資金繰りに与える影響はとても大きくなります。

資金繰りの悪化を改善する方法

経費の見直し

まず考えられるのが経費削減です。
例えば、仕入や、電気・水道などの光熱費を見直すことから始めてみましょう。

仕入については、仕入先の検討や提供メニューを整理することで仕入食材の種類を減らすことができます。
また光熱費は、LED照明に切り替える、水道の節約を徹底する、無駄な電気を消す、といった簡単なことから始めることができます。
広告費や包装材費なども見直すことができます。
これらのような経費削減はとても地道な作業ですが、積み重ねることで資金繰りに大きな効果が得られます。

人件費の見直し

スタッフのシフトを見直し、効率的な人員配置を考えることも重要です。
ピーク時間帯には多くのスタッフを配置し、閑散期には少なめにするなど、需要と供給を見極めることが大切です。
また、パートタイムのスタッフを活用したり、労働時間を抑えるための工夫も求められます。

在庫の削減

食材の仕入れについても工夫が必要です。
仕入れた食材は、料理としてお客様に提供し、お客様から代金をいただくことではじめてお金に生まれ変わります。
つまり在庫として残っている状態が長く続くとお金が入ってこないため、次の仕入や人件費の支払いに充てるための資金が不足してしまいます。

資金繰りが苦しい状態では、必要な分だけを仕入れることで無駄な在庫を抑え、いかに在庫を早く現金化するかにフォーカスしましょう。

事業の縮小を検討する

事業の縮小は、一見マイナスに思えますが、実は良い結果を生むことがあります。
資金繰りが苦しい状態では、まずお金の出を抑えることを考えます。
そのためには、少ない資金で安定して回せる経営に立て直すことから始めましょう。

経営が安定して資金繰りに余裕ができれば、また次につなげることができます。
事業を存続させるために最も大切なことは「その場に居続けること」です。
お金が無くなって倒産してしまったら、お店は終わってしまいます。

お店を続けるために少ないお金で何ができるのかを考えて対策を打ちましょう。

金融機関から融資を受ける

資金繰りが苦しいときには、売上以外から資金調達する方法を考えます。

具体的には、日本政策金融公庫の融資や地方自治体の制度融資によって資金を調達することができます。
ただし融資を申し込む場合には余裕を持って準備をしましょう。
融資の申込から実行(融資のお金が払い込まれること)までには、ある程度時間がかかります。
そのため、資金繰りがぎりぎりの状態では間に合わないかもしれません。

銀行などから融資を受けることは悪いことではありません。
資金繰りが苦しいなと感じたときは、早めに融資を検討するようにしましょう。

別の記事でも資金繰りの改善について解説していますので、ぜひ参考にしてください。


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