あなたの会社では、税金の支払いによって資金繰りが苦しくなった経験はありませんか?
会社経営を行なっていると、毎年必ず決算がやってきます。
決算の結果で利益が出ている場合には税金を支払わなければいけません。
法人税、地方法人税、都道府県民税、法人事業税、市民税など、たくさんの種類の税金を支払います。
もし消費税を納める事業者(消費税の納税義務者)であれは、消費税及び地方消費税がさらに加わります。
これらの税金は、事業年度終了後2ヶ月以内に納付しなければいけません。
そのため、もし税金の金額が大きいと手元の資金が一気になくなってしまうため、資金繰りが悪化しやすいです。
税金の支払いには、金融機関の短期融資がおすすめです。
この記事では、税金の支払いで短期融資を活用するメリットについて解説します。
すべて読み終わる頃には、上手に短期融資を活用して資金繰り悪化を防止することができますので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事では、税金の支払いで短期融資を活用するメリットについて解説します。
すべて読み終わる頃には、上手に短期融資を活用して資金繰り悪化を防止することができますので、ぜひ参考にしてくださいね。
税金によって資金繰りが悪化する原因
税金は急にやってくる
税金が多ければ多いほど、資金繰りが急に悪化してしまう可能性があります。
その理由は、税金は単発の支払いだからです。
決算にかかる税金は単発であり、かつ金額が大きいことが、会社の資金繰りを急激に悪化させる要因です。
一方で、材料の仕入高や外注費用、家賃、水道光熱費などは毎月支払います。
もし年間の合計金額が多額だったとしても、毎月支払っているため、直近の資金繰りは計算することができます。
そのため毎月の支払いが大変だったとしても、急にお金が必要になるわけではないため、急激に資金繰りが悪化する危険性は小さいです。
税金の支払いが毎月あれば資金繰りを予想できるのですが、短期間で大きな金額が必要になるため、資金繰りが悪くなってしまうのです。
決算が好調なときほど税金が多い
税金による資金繰りの悪化は、決算が好調な会社ほど起こりやすいです。
好調な決算の場合、たくさんの利益が残ります。
その利益に対して法人税などの税金が課されるため、決算が好調であればあるほど納める税金の金額も増えていきます。
利益とは税引前当期純利益のことで、当期純利益に対して約35%の法人税等がかかります。
税引前当期純利益額によってかかる法人税等のイメージは次のようになります。
- 税引前利益 300万円 → 法人税等は約105万円
- 税引前利益 500万円 → 法人税等は約175万円
- 税引前利益1,000万円 → 法人税等は約350万円
- 税引前利益3,000万円 → 法人税等は約1050万円
なんと税引前当期純利益が3000万円あれば、約1000万円以上の法人税等かかってしまうのです。
さらに消費税を納める事業者であれば、法人税等に加えて消費税が課されます。
また好調な決算の場合、決算が締まる直前に節税を行っていることが多く、その節税によって手元のお金が減っている可能性があります。
節税でお金が減ったあとに多額の税金を払うことになれば、資金繰りが悪化する危険性が高まります。
このように、決算が好調な会社ほど税金による資金繰り難のリスクがあるため、納税資金を準備する方法を検討しなければいけません。
短期融資を受けるメリット
納税資金として、金融機関から短期融資を受けることが可能です。
短期融資とは、融資実行から返済完了までの期間が1年以内の融資のことをいいます。
納税資金の融資を受けるというと「税金のために利息を払って融資を受けるのはもったいない」と考えてしまいそうですが、短期融資を受けることによるメリットがあります。
- 支払いを平準化できる
- プロパー融資が受けられる可能性がある
- 賞与にも活用できる
それぞれについて解説します。
支払いを平準化できる
短期融資を受けることによって、税金の支払いを平準化することが可能です。
税金による資金繰り悪化は、税金の支払いが単発で、かつ金額が大きいことが原因でした。
そのため税金の支払いを1年間に均して、それぞれの支払い金額を抑えることで資金繰りの悪化を防止することができます。
ただし本当に税金を年間に分割して払うというわけではありません。
短期融資を活用することで、疑似的に分割納税を行なうことができるようになるのです。
実際には下記のような流れになります。
【納税資金の短期融資を受ける流れ】
①納税期限の前に、会社は金融機関から短期融資を受けます。
↓
②融資を受けたお金で納税期限までに税金を支払います。
↓
③1年かけて元金返済と利息分を返済します。
支払いが平準化されることで次のようなメリットもあります。
- 税金支払いで手元のお金が急激に減ることを防止できる
- 返済予定表があるため、資金繰りを予想できる
- 思いどおりに節税ができる
税金の支払いを平準化すると、様々なメリットがあります。
好調なときこそ足元をすくわれやすいので、短期融資を活用して資金繰り改善に努めましょう。
プロパー融資が受けられる可能性がある
短期融資の場合、金融機関からプロパー融資が受けられる可能性があります。
5年~15年のような長いスパンの融資であれば、返済期間が長いため、会社が計画どおり返済してくれるのか、金融機関側にも不安があります。
しかし納税資金の短期融資であれば、返済期間が短く好調な成績をあげた結果の融資であるため、金融機関側のリスクは小さいです。
そのため、プロパー融資を出してくれる可能性があります。
金融機関側からプロパー融資を提案してこないかもしれませんので、融資を申し込む際に相談してみることをおすすめします。
またプロパー融資は会社と金融機関の過去の取引実績や信頼関係が必要です。
まだ融資を受ける金融機関と取引して期間が短い場合には難しいため、短期融資を活用して、プロパー融資を引き出せるように実績を積み上げていきましょう。
賞与でも使える
単発で多額のお金が減ってしまう支払いは税金だけではありません。
例えば、従業員への賞与があります。
給与は毎月支払うため、従業員が増えても急激に資金繰りが悪化することがありません。
しかし、賞与は年に1~2回と単発で、さらに給与1ヶ月分を支給するなど高額になりやすいため、賞与で資金繰りが悪化する可能性はあります。
また決算が好調な場合には、通常の賞与の他に決算賞与を支給することもあります。
賞与の有無は、従業員雇用の満足度にもつながりますので、賞与を支給できないと従業員のモチベーションが下がってしまうかもしれません。
賞与資金として短期融資を活用することで、資金繰りの悪化だけでなく、従業員の士気低下や離職を防止することができます。
納税資金の融資を受ける準備
短期融資を受ける準備として大切なことがあります。
それは前もって金融機関とも相談し、余裕を持って準備を進めることです。
納税期限の直前に融資を申し込んでも、融資実行が間に合わない可能性があります。
そのうえ、希望どおりの金額の融資額が出ない可能性もあります。
前もって決算が締まる前から、決算が好調な見込みであることや納税資金の融資を受けたい旨を金融機関へ伝えておく必要があります。
円滑な融資を受けるために、普段から金融機関とのコミュニケーションを取るように心がけましょう。
まとめ
この記事では、税金の支払いで資金繰りが悪化する原因や、納税資金の短期融資を受けるメリットについて解説しました。
会社が長く存続していくためには、安定した経営が必要で、安定した経営をするには利益を出し続けなければいけません。
もちろん利益を出し続けると、税金の支払いが必要になります。
そのため、納税に向けての資金調達は大切です。
中小企業の経営において、最も大切なものはお金です。
お金がなくなって事業を存続できないということにならないように、納税資金で短期融資を活用し、円滑な資金繰りに努めましょう。
会計や経営について”知りたい!”と考えている経営者を大歓迎しています。
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