個人事業主や法人を問わず、事業を営む場合には銀行(信用金庫)口座を開設します。
人によっては手数料のために支払先ごとに別の金融機関の口座を利用している場合があります。
または融資を受けるためにその金融機関の口座を開設する必要があります。
このように、銀行口座はひとつだけでなく複数持っている方がとても多いです。
では、あなたは自分が「どこの銀行」の「何支店」の口座を「いくつ」持っているかを把握できていますか?
起業した頃に開設したものや、先代の経営者が開設したものなど、もしかしたら利用していない(把握できていない)口座があるかもしれません。
今現在で使っていない口座のうち、一定条件を満たすものを「未利用口座」といいます。
未利用口座を持っている場合には注意が必要です。
なぜなら、未利用口座があるだけで手数料がかかっているかもしれないからです。
この記事では、未利用口座について分かりやすく解説しています。
未利用口座を持っているかもしれない、持っている場合はどうすればいいの?と思われ方の参考になりますので、ぜひこの記事をチェックにしてくださいね。
未利用口座とは?
未利用口座とは次のような口座のことをいいます。
- 最後の預入れまたは払戻し(※)から2年以上、一度もお預入れまたは払戻しが無い普通預金、総合預金
- 一定の日(銀行ごとに異なる)以降に開設された口座
(※)払戻しには普通預金利息の元本組み入れや未利用口座管理手数料の引落は含まれない
また数年間利用していない場合でも、一定の条件を満たせば未利用口座とならない場合があります。
未利用口座の対象外となる例
・預金残高が10,000円以上
・融資を受けている
・定期預金や定期積金などの取引がある
・信用金庫の出資配当金の入金口座に指定している
上記は未利用口座とならないケースの一例です。
金融機関ごとに条件が異なりますので、詳細はお持ちの金融機関でご確認ください。
未利用口座にかかる手数料
未利用口座にかかる手数料(未利用口座管理手数料)は次のようになっています。(2022年10月時点)
多くの金融機関で、年間1,320円(税込)の手数料がかかるようです。
・三菱UFJ銀行:1,320円(税込)
・三井住友銀行:1,320円(税込)
・りそな銀行 :1,320円(税込)
・横浜銀行 :1,320円(税込)
・神奈川銀行 :1,320円(税込)
・湘南信用金庫:1,320円(税込)
・かながわ信用金庫:1,320円(税込)
持っている銀行口座を把握する
未利用口座の手数料を払わないための対応策は、自分がどこの金融機関(本支店を含む)の口座を持っているかを整理することです。
そして最初にやるべきことは、保有口座の洗い出しです。
持っている口座を正しく管理できれば、未利用口座は生まれません。
そのため、まずは自分が持っている口座を把握しましょう。
未利用口座があれば今後の必要性を検討し、必要ない場合には解約するなど早めに対処しましょう。
なお未利用口座の残高が、未利用口座管理手数料未満であれば自動的にその口座は解約されます。
しかし、管理手数料以上の口座残高である場合には、手数料未満になるまで手数料を払い続けてしまいます。
つまり手数料を払うことができる口座残高がある間は、自分で解約手続きしないと未利用口座管理手数料がかかり続けるということです。
未利用口座に該当することになれば案内が来ますので案内が届いたらすぐに対応しましょう。
口座解約のデメリット
未利用口座があると分かった場合、その口座を継続するか、解約するかを検討しましょう。
利用しない場合には、未利用口座を解約すれば手数料はかかりません。
しかし口座を解約することによるデメリットもあります。
それは「口座を再度利用したいときや融資を受けたいときに時間がかかってしまう」ことです。
口座を持っていればスムーズですが、口座を解約してしまうと、再び口座を開設する手続きが必要になってしまいます。
特に融資を受ける場合には、既に口座を持っていた方が一般的には申込から入金までの時間が短くなります。
そのため、将来的な必要性を考えて未利用口座を何かの用途に利用するか、解約するかを検討するようにしましょう。
もしすぐに判断がつかない場合には、入出金などの取引をすれば「未利用」ではなくなるため手数料はかかりません。
ただし口座維持のための入出金の手数料やATMへ行く時間などの無駄が発生してしまいますので、早めに決めるようにしておきましょう。
まとめ
この記事では、金融機関の口座のうち未利用口座について開設しました。
未利用口座を保有しているだけで少なからず手数料がかかってしまいます。
もし利用していない口座がある場合には、その口座の必要性を検討して継続(利用)するか、解約するかを検討しましょう。
利用していない口座でも一定以上の残高があれば、未利用口座管理手数料がかからない金融機関が多いです。
しかしそのような場合でも、利用しない場合には解約を検討しましょう。
中小企業や個人事業主の経営で最も大切なものはお金で、お金があれば経営がうまくいく可能性が高まります。
利用しない口座にお金があるのはもったいないです。お金を寝かさず経営に集中させましょう。
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